今日、一級建築士定期講習を受講しました。

建築士定期講習とは、平成20年11月28日に施行された改正建築士法により、建築士事務所に所属する建築士に対して受講が義務付けられた講習です。これは、建築士事務所に所属する建築士については、「業」として設計・工事監理等の業務を行うことが可能であることから、業務の実施に当たり必要となる能力を確実に身に付けておく必要があるため、3年度ごとに最新の建築関係法規等について、習得する趣旨のものです。

わたしは2011年度に一級建築士免許を取ったので、早6年。今回で2回目の定期講習になります。
午前中は建築基準法や建築士法、その他の関係法令の確認。午後は最新技術や実務の動向などについてで、最後に修了考査。3年前の講習から増えた内容は、「平成28年建築基準法施行令の改正内容」そして「2016年熊本地震」についてでした。

だいたいが既に理解していることを確認する時間なのですが、新しく印象に残った箇所がありました。それは「耐震グレード」についての記載です。長くなりますが、引用を…


住宅などの建設では、予算に応じてどうゆう部屋を作り、仕上げは何にするか、設計者と入念な打ち合わせをすることになる。ところが、そこで構造の性能について議論されることはこれまでほとんどなかった。(略)昭和56年に施行された新耐震設計法では、大地震時には人命を保護することが記載されているだけで、その被害程度を定めているわけではなかたためである。そのため、阪神淡路大震災後は、耐震グレード等の性能を規定する性能設計を求める声が聞かれるようになった。
過去の耐震設計と異なり性能設計では、日常に使用に関わる使用性、地震などに対して財産の保全を図る修復性も基本性能として加えている。(略)また、性能設計では、施主は設計者との対話と合意に基づき、建築物の性能について判断をし、その結果に対して責任を持つことが求められる。したがって、設計者は、対話を通じて施主の建築物に対する要求性能を引き出し、合意に基づき目標とする性能を定め、設計の結果が、設定した性能を満たしていることについて責任を持つ必要がある。


今は仕様設計から性能設計へと舵を切られた時代。ですが、特に建物の耐震性能は、地震でもない限り直接感じることは難しく、一般の人にとってはイメージしにくいもの。設計者としても、計画と予算とのバランスを踏まえながら、どこまで高次の性能を求めてゆくかの見極めが難しい箇所ですが、その決断の根拠となるのは「対話と合意である」と、わかりやすくまとめてあります。

不安な時代だからこそ、とことん対話を。
そんな覚悟を、改めて。