音楽室付き住宅/改修/2019

数年前に亡くなられたおじいさんが愛していた、白樺の森の中にある小さな家を、子・孫夫婦が住み継ぐための改修です。住み手が音楽をされていることもあり、住居だけでなく、お客さんを呼ぶことができる音楽室もつくりました。

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「The Sound of Silence」

川上ヒュッテがしっとりと佇むのは、静けさの音につつまれた白樺の森の中。まず地形があって、生きとし生けるものの営みがあって、その片隅に人の暮らしがあるという、住まいのあり方の原点を見つめ直すような場所です。設計にあたっては、もともとの建物も地形のように捉え、数年前におじいさんの記憶をなぞりながら、その上に住み手の暮らしの風景をどうやって描くかを考えました。

小さな建物内での日常と非日常(生活空間と音楽室)の寄り添わせ方は、住み手の生み出す静かな祈りのような音楽から着想しました。美しい自然をあえて間に挟むことによって、奏でる音色の切実さに耐えようとする意思を、音楽室から感じとれるようになったと思います。

家を住み継ぐという大きな熱い決心と呼応するように、これからも静寂の音がゆたかに鳴り響くことを、切に願っています。


川上ヒュッテ

施工:株式会社シンカイ 新海直利
設計監理:一級建築士事務所ぐるり舎 布留川真紀

構造:木造在来工法
規模:地上2階

仕上げ
床:無垢杉フローリング15mm
壁:ホタテ漆喰左官仕上げ・塗装仕上げ 
天井:床組あらわし・塗装仕上げ

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