家具/ハーフビルド/2017

2人ではじめる新しい生活のために、家具を2つ設計しました。ひとつめはソファのサイドテーブル兼飾り棚、ふたつめは増やしたり減らしたり組み換えのできるハーフビルド本棚です。

飾り棚

ハーフビルド本棚


飾り棚の設計は、「リビング窓辺のソファの横に、思い出の品々や絵本を飾りたい」というご希望からスタートしました。実際にお二人の暮らしぶりを見せていただき、打ち合わせを重ねながら、「ソファでくつろぎながら、ちょっとした小物を置くサイドテーブルの機能を兼ねられないか」というアイディアが生まれ、ソファの形に沿うようなL字型に。

素材は、後述する本棚に合わせてラワン合板とし、小口の積層された断面はそのままあらわしにして見せました。色は同じ空間にある食卓に合わせて染めています。
真鍮を使うことでメリハリがうまれ、抜け感のあるつくりになりました。今はピカピカに輝いている真鍮は、2人が重ねる時間ごとに味わい深い風合いになっていくでしょう。

立派な地球儀は、お客さまが小さい頃から使っていたものだそう。今とは国境も国名も異なる地域がたくさんあり、それがそんなに遠い過去ではないことにあらためて気づかされます。


本棚の設計は、「新居が賃貸である」ことや「今後、必要な収納力が増えてゆくであろう」ことから、引っ越し・増設が簡易的であることが機能的に求められました。そこで、材料の調達・カットをホームセンターでお願いし、組み立て・塗装は自分たちで行うハーフビルドスタイルをとることにしました。

素材は、一般的なホームセンターで調達できて、強度に信頼がおけるラワン合板を採用しました。
厚いラワン合板の棚板と、薄いラワン合板とスプルス角材を組み合わせた支柱板を、必要な高さまで組み上げて、揺れどめに背板をとめつけています。
引っ越しの時は、背板をはずせばすべての材料を重ねられ、コンパクトに運べるようになります。

ハーフビルドの様子/穴あけ

ハーフビルドの様子/塗装

ハーフビルドの様子/仮置き

設計当初のは3段のものが2つというご希望でしたが、実際に組み上げて仮置きなどをして、後日追加で2段のものも2つ制作しました。リビングでテレビ台として使われる予定だそうです。


ぐるり舎では、ちいさな小物から大型家具まで、空間をつくる品々の設計をお引き受けしています。
また、ご自分で家具や空間を作りたい方のハーフビルドのお手伝いもしておりますので、ぜひご相談ください。