国立新美術館で開催中のピエール・ボナール展にて、ジャケ買いならぬ「装丁買い」をしました。

図録として、印刷のレベルが高いとは感じられなかったのですが、とはいえ本として抜群に美しい…。

表紙に使われている作品は1929年ころの「紫色の家のある風景(Paysage à la maison violette)」で、おそらくボナールの代表作として名前が挙がるものではないと思います。それでも、この絵を選んだ方の類稀なるセンスにありがとうを伝えたい!

裏表紙の裏(裏見返しと言う部分)が家と同じ紫で、全体を覆う緑色の補色である効果も相まって、本全体として引き締まっている感じがします。平置きしたときの佇まいが、ほんとうにすてきです。開いて眺めているときはもちろん、本棚にあるだけでにまにましてしまうような。

展示には一昨日、母と。10年前に一緒にパリとジヴェルニーへ行っているので、そんな想い出話も交えながら。

少し前のヴァロットン展から、1年ごとくらいにナビ派関連の展示が続いてますね。そろそろ大好きなモーリス・ドニの順番がまわってこないかなあと、オルセー美術館へ念を送る日々です。

【ピエール・ボナール展 図録】