LIXILギャラリー東京で開催中の、「吉田謙吉と12坪の家-劇的空間の秘密-」展が、しみじみよかったのです。

吉田謙吉(1897~1982)は、舞台美術を中心に考現学採集、装丁、文筆など多彩なジャンルで活動された人。展示では、吉田が戦後52才で自ら設計した家を中心に、彼が培った「あたらしいものの見方」に迫っています。

12坪の家を建てる1年前に雑誌に寄せた「12坪の家の理想形」
12坪の家で度々開催されたという蚤の市のチラシ
「4坪の洋裁店」店舗の設計
「アラビアン」マッチラベルのデザイン
「椿姫」舞台美術
雑誌に寄せた「住まいの工夫」

LIXILギャラリーの展示は、図録をLIXIL出版から書籍として出版することが前提なので、内容がとてもわかりやすくまとめられてあります。小さなギャラリースペースではありますが、今回も巧みな会場構成によって(展示デザインは田代朋彦さん)、さながら吉田謙吉の12坪の家のように、ぎゅぎゅっと濃密な盛り展示空間を楽しめました。


LIXILギャラリーのご近所・東京ステーションギャラリーでは、「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」展が4/14まで催されています。国際巡回展らしく、アアルトへのあたらしい視座を得られる展示です。建築好きな方は、ぜひこちらも一緒にどうぞ。

▶︎「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」展 HP