ハンドレタリング/2019

立体刺繍作家の花と刺繍CoRteさんの、名刺兼ショップカードと立体刺繍アクセサリーを販売する時に使う台紙の、ハンドレタリングを担わせていただきました。

アートディレクションとデザインはタイラーデザイン事務所です。


名刺兼ショップカード

台紙

「ひとつひとつ 糸からつくる 立体刺繍」というキャッチコピーの通り、全てのパーツを何の変哲もないただの糸から、ひと針ひと針、地道につくられている作家さんです。けれど、作品と笑顔からはまったく苦労の跡が見えないのが、打ち合わせを重ねてでの印象でした。

ですので、ハンドレタリングに関しても、さらっとした手描き感で、なおかつ刺繍糸のような伸びがある線を意識してみましたが・・・いかがでしょうか。

余談ですが、わたしは前々から刺繍文化に興味があって、特にベンガル地方の刺し子刺繍布、通称「カンタ(Kantha)」が大好物。数年前に、日本民藝館で実物のカンタを目にすることができた時は、おおいに心を揺さぶられたのでした。カンタからは制作当時のベンガル女性たちのささやかな暮らしがすべて表されていて、日々を愛おしむ想いを彷彿とさせるのです。

民藝 2014年9月号 特集:カンタ

カンタ 儀式用布(部分) 19世紀後半 旧ベンガル地方

CoRteさんの立体刺繍モチーフもやはり、ごく身のまわりにふつうにある植物たち。きっと刺繍という行為は、身近な世界を愛するのにぴったりな方法なのでしょう。わたしもさっそくCoRteさんのアクセサリーを身につけているのですが、そうしていると、手の届く範囲の世界を大切にしようとする心がふつふつと湧いてくるのは、古からの決まりごとなのかもしれません。

お客さまと顔を合わせてのやりとりにこだわっていらっしゃるCoRteさん。ぜひ出店予定などをCoRteさんのSNSにてご確認いただき、作品世界に触れてくださいね。近々では、2019年11月23-24日には岡山県総社市にて個展が催されますよ。

花と刺繍CoRte
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花と刺繍CoRte
個展「ワタシノスキナモノ」

2019.11.23(土) – 24(日)
11:00 – 17:00
きび工房「結」(岡山県総社市総社2-15-18)

わたしたちの身近にかくれた自然物やお花をモチーフにひとつひとつ糸から作った立体刺繍の世界。
ありふれた日常が、あなたにとって特別になりますように。
繊細な立体刺繍の世界をお楽しみください。