今年の一冊を選ぶなら。

父は宇宙船で、子はカヌーで。「ここ」から出て行こうとしたふたりの伝記。まったく異なる生き方を選んだかのように見える父子だけれど、やはり道は交わる。宇宙と海は続いているみたいに。

私はあなたの足元に、私の夢を広げました。
そっと踏んできださいね、わたしの夢を踏むのですから。

訳者あとがきで触れられていた、フリーマンの自伝で引用されていたというイェーツの詩。そう、夢なんだ。夢を見ることこそが、わたしたちのすべて。親の、そのまた親の、ずっとずっとずっと前の親の広げた夢を踏みしめ、わたしたちは生きている。

踏まずにいられないのであれば、わたしもそっと踏みたい。

【宇宙船とカヌー/ケネス・ブラウアー/芹沢高志 訳】


2019年に読んだ本(のごく一部)


ここで唐突に、年の瀬のご挨拶。

今年も散漫なBLOGにおつきあいいただいてありがとうございました。この場の存在によって、漫然と過ぎ去ってゆく日々に句点を打つことができたように思います。

どうぞ、あたたかな新年を。