一昨年あたりから、絵描きの方々と友達になる機会に恵まれていた。西藤燦さんもそうやって知り合ったおひとり。

出会いは、コーミングで溜め込んだ猫の毛で毛糸をつくる会だった。そんな集いに参加しているくらいなので、西藤さんは大の動物好きで、もちろん猫飼い。たまにSNSでチラ見せされる愛猫さんの様子がたまらない。

そんな西藤さん(ざっくりとしたご紹介になってしまい、ごめんなさい…)が、作画を担当された『あぶない!どーする?』が出版されたので、いそいそと買いに行ってきた。

西藤さんの作風は、圧倒的な情報量のある細密画。たいへんな労力をかけていらっしゃるだろうに、それをまったく感じさせない上品さがある。わたしが惹かれているのは、そのエレガントさと、そして少しの毒っぽさからなのかも。

ずっと見ていると、魂を吸い込まれそうな怖さと、魂が絵と一体となる心地よさと、相反する感情が浮かんでくる。

この絵本は「どうぶつえほん だーれ?どーする?」シリーズの5冊目。このシリーズは図書館への配架が主で、どの書店でも扱われているというわけではないそう。なかなか出会うチャンスは少ないかもしれないけれど、ぜひたくさんの方に、西藤さんの超細密画に触れてもらいたいと願う。

ところで、もともと細密な植物画が好きで、いろいろ展示を見に行っていたが、動物の細密画の展示は(覚えている限りでは)ないのではないだろうか…と、ふと気づいた。催されたら絶対に流行ると思うのだけど、なぜだろう?

こちらは、川原慶賀の植物図譜を見に行った時のblog。

西藤さんは、先日から谷中・ギャラリー猫町で始まった「ヒルネコマチ4人展」に参加されているそう。こちらにも足を運んで、存分に魂を吸い込まれてこよう。

【あぶない!どーする?/穂髙順也 作/西藤燦 絵/今泉忠明 監修】