笠岡ハウスの実施設計がまとまってきました。そうすると、現場の段取りも始めなければならず、隣接する母屋の解体(跡地にハウスメーカーが新築)に向けてのスケジュール確認も、同時に行ってゆきました。

母屋は築140年ほど。眠っていた古材や道具の一部は、笠岡ハウスで再利用するほか、友人の家具職人や作家に引き取ってもらえることになりました。

単純に「古いものっていいよね」というノスタルジアだけではなく、「継げるものはまっとうに継げるよう整理整頓すること・判断をすること」が建築士の職能だと考えています。よく建築士の仕事を指揮者に例えることがあるけれど、「歴史を継ぎつつも新しいものを生み出す」という点についても似ている…と、(畏れ多いことは承知で)思っています。

横架材は丸太を釿(ちょうな)で削ったもので、江戸時代に建築された古民家らしい古材。削り跡がうっすら残っている。

わたしはちゃっかり、木彫りの熊3匹を譲っていただいきました。住まい手の祖父や親戚が、北海道旅行のおみやげにくれたものだそう。

ずっと木彫りの熊が欲しくて、いいかんじの子を探していたけれど、北海道で新しく買うというイメージもわかず、古道具屋さんでもピンとくる子と出会えず…このすてきな巡り合わせまで堪えてよかった!