ブックデザイン/2020

3名の著者による、子どもと大人のはざまを生きる10代の方たちへ向けて、「あなたの手で社会のトリセツをつくって生きて欲しい」という願いが形となった書籍。ぐるり舎は熱い企画段階から関わらせていただき、クラウドファンディングでの制作費集めを経て、本の外観だけでなく中身も含めたトータルデザイン、また、関連するビジュアル等のデザインを担わせていただきました。

2020年12月30日に発売。現在、全国書店、Amazonにて販売中です。
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個性豊かな3名の著者が綴る15テーマの膨大な文章を、1冊の本としてまとめること。これが今回のデザインの最大のポイントでした。

読みやすさに重きを置き組版したため、10代向けの本なのに装飾が少なく、驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、自分が10代の頃を思い返せば”媚びてくる大人”は信用ならなかったので、あくまでも誠実に対等に向き合いたい姿勢をページレイアウトに込めました。

許す限り余白を取り、行間も若干大きく設定し、書き込みがしやすいようにしています。白地図のように自由に使い込んでいただければ嬉しいです。発売後にいただく声から、想定していたよりもずっと若い人たちが読んでくださっていることがわかり、第2版からは中学校以上初出の漢字にルビを振っています。

文字のかたちがわかりやすいユニバーサルフォント(BIZ UDゴシック)を使用しました。

最初から通して読まなくてもよい本だと考えたため、閉じた状態から開くときに、だいたいの位置が把握できるように、各章の見出しはベタ塗りとして小口からうっすら見えるように。


表紙デザインは、この企画の性格上、様々な展開に使用されることが想定できたので、その展開に耐えられるようなデザインを考えました。

タイトル+背景コラージュ+帯風デザインの構成で、それぞれ単独でも使用できます。特に背景コラージュは、HPのバナーやクラウドファンディング用動画の背景など様々に使用していただいたため、このコラージュを見れば「あ!きみトリだ!」(界隈ではタイトルを「きみトリ」と略して呼んでいます)とわかってもらえるような、アイコンの役割を担ってくれました。

本屋さんでは元気よく目を引き、家の本棚では親しげに馴染む。そんな表紙になったと思います。

タイトル+背景コラージュ+帯風デザインの構成。

ステッカーもつくりました。


デザインとは、そこにある情報を整理整頓して視覚化・物質化することです。全てのアウトプットは、いただいた企画やゲラからの着想になります。ですので、多くの方から今回の書籍デザインにお褒めの言葉をいただくのは、制作チームの方々のお仕事ぶり、そして著者の方々の熱意と原稿がすばらしかったからほかなりません。すばらしいものづくりに携わる機会をいただき、ありがとうございました。

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『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』

著者:稲葉麻由美・高橋ライチ・舟之川聖子
発行:株式会社 三恵社

制作チーム
編集:八田吏
校正:佐々木彩子・佐藤里愛
デザイン:布留川真紀・杉本和歳
イラスト:瀧口希望
クラウドファンディング:本橋祈