遅い遅い夏休みに、北八ヶ岳・黒百合ヒュッテへ行ってきました。

針葉樹の森に抱かれた黒百合ヒュッテ

2019年10月10日〜11日
北八ヶ岳・黒百合ヒュッテ
DAY1 新宿駅〜茅野駅〜(バス)〜渋の湯〜黒百合ヒュッテ
DAY2  黒百合ヒュッテ〜中山峠〜しらびそ小屋〜稲子湯〜(バス)〜松原湖駅〜新宿駅

川上ヒュッテの現場への行き帰り、小海線の車窓越しにわたしを呼んでいた八ヶ岳。今年の夏は桑の木保育園プロジェクトの諸々で休む間も無く過ぎ去ってしまい、ようやっと足を運ぶことができました。遅い遅い夏休みというより、もはや秋休みですね。山の上では葉が色づきはじめていました。

コメツガの森
シラビソの森
しらびそ小屋のあるみどり池

先日、友人であるデザイナーの鈴木優香さんが、彼女自身が山で見た景色をハンカチに仕立ててゆくプロジェクト「mountaincollector」のSNSの中で、印象に残る言葉を引用していました。

山で写真を撮ったり、その景色をハンカチに仕立ててゆくのはなぜかと聞かれるたびに、なんと答えたらしっくりくるのか繰り返し考えています。

現在展示を開催中の長崎次郎書店様が綴っていらしたこのコメント、お借りしたいくらい素敵な言葉だと思いました。

「いつだってなんだって一期一会だけれど、山の景色はそのかけがえのなさを切なくなるほど教えてくれる。」

山のある人生を歩むひとはみな、この言葉にうなずくのではないかと思う。「切なくなるほど」というのもいい。かけがえのなさとは、喜びと哀しみがともにあるものだから。そのことを思い出すために、季節を変えて、ルートを変えて、一緒に歩く友を変えて、同じ山へ繰り返し登ってしまうのだろう。

八ヶ岳はそんな、何度でも足を運びたくなるような、おおらかな山。

うつくしい針葉樹と苔と、そしてやさしくて儚い光の森が待っています。