ブックデザイン・編集/2022

鑑賞対話ファシリテーターの舟之川聖子さんが、自らのライフワークを「観ること」と名づけ、本のかたちにまとめた図録作品。ぐるり舎では、ブックデザイン・編集アシスタントを担わせていただきました。

表紙・目次装画は中尾久美さん。思わず見つめ返してしまう美しさと強さを、本に持たせていただきました。

2022年10月10日に発売。現在、ひととび書籍部ネットショップやイベントで販売中です。

▶︎ひととび書籍部ネットショップはこちら


舟之川さんと書いたこの作品の説明文には

私的な経験を綴ったエッセイのように見える文章は、自己を質的に社会調査して記述するオートエスノグラフィー的な装置。
読者が自らの世界との結びつきをrecall(呼び起こす)できるよう、さまざまな仕掛けが施されている。

とあります。

この「エッセイのように見える(けれどエッセイではない)」ということが、このプロジェクトの要でした。発端は自己省察であるけれども日記として消費されないよう、それぞれの文章たちの発端、書きとめた日、本として印刷した瞬間、そして読者が読んでいる今…それぞれの瞬間を行ったり来たりしながら、読者が「観ること」をなぞって体験してゆけるようなモジュールを、デザイン・編集の双方向からつくっています。

また、見慣れなさを優先したnon- universalなデザインも一部採用しています。

と、書いてしまうと、なんだか尖って敷居の高い本のように受け取られてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。心地よく息継ぎをしながら、流れにそって泳いでゆくと、とほうもなく広い場所へたどり着いていたような…そんな鑑賞体験が得られるのではないかと。


『観ること』

著者:舟之川聖子

“もっと世界と受け取り合い、もっと世界と親密になっていいんだよ”
手の中でめくるたびに声がする。呼びかけに応えたくなる。

鑑賞対話ファシリテーターの舟之川聖子が、自らのライフワークを「観ること」と名づけ、本のかたちにまとめた図録作品。
私的な経験を綴ったエッセイのように見える文章は、自己を質的に社会調査して記述するオートエスノグラフィー的な装置。
読者が自らの世界との結びつきをrecall(呼び起こす)できるよう、さまざまな仕掛けが施されている。

制作チーム
編集:舟之川聖子・布留川真紀(ぐるり舎)
デザイン:布留川真紀(ぐるり舎)
表紙・目次装画:中尾久美