ある日、机に向かっていてふと気づいたのです。「わたし、定規を持ちすぎじゃないか…?」と。
気づいたら居ても立っても居られず、マイ定規を並べてみることにしました。


まずは一軍から。筆箱や一番上の引き出しにしまっていて、いつでも取り出せるようになっている定規です。

上から順に、
①定規
②ちびスケ
③透明定規
④ものさし


①定規 使用頻度:ほぼ毎日

いわゆる定規ですが、片側だけ少し立ち上がっているので、ペンを使っても線がにじまないところがお気に入りです。そして、真鍮製なので使い続けるほどに味わいが出てくるところに、愛着を感じています。筆箱に入れて常に持ち歩いているのも、この定規。描き心地抜群のMDノートを販売しているミドリ社の、ブラスシリーズです。


②ちびスケ 使用頻度:3日に1度

正式名称は「三角スケール(通称サンスケ)」で、150ミリと300ミリのものがあるので、150ミリでピンクのこちらは「ちびスケ」。コンサイス社のもので、鉛筆ほどの細さ。細長い三角柱のかたちをしている定規で、6種の縮尺の目盛りが刻んであります。その6種はどれを選ぶかが悩ましいのですが、わたしは「1/100、1/200、1/300、1/400、1/500、1/600」のものを使っていて、①の定規と一緒に筆箱に忍ばせています。

300ミリのサンスケは「1/20、1/50、1/100、1/200、1/250、1/300」の縮尺で、これは手描き図面を引くときや詳細模型をつくるときに、稀に登場します。こちらは製図用品でおなじみのドラパス社製です。


③透明定規 使用頻度:3日に1度

こちらもいわゆる定規ですが、透明かつ10ミリことにグリッドが入っていることがポイントです。このグリッドを使えばおおよその直角線が引けるので、三角定規を持ち歩く必要なし。どこかのコンビニで間に合わせで買ったノーブランドですが、優秀な子です。

2019.07.30追記
偶然にも、このblogの読者に「同じ定規を10年以上使っています!」という方がいらして、無印良品のものであったことが判明しました。現在はこのデザインのものを作られていないようです。


④ものさし 使用頻度:1週間に1度

竹製なので、300ミリでも軽く扱いやすいです。①の150ミリ定規では間に合わないサイズのときに使います。1番長く人生を共にしている定規で、これは小学校入学グッズのひとつでした。注意すべきは、カッターを使ってはいけないこと。竹の繊維にカッターがひっかかってしまいます。

小学生グッズだった名残。進級ごとに学年を書き替えた跡が見えますね。


そして二軍定規たち。こちらは道具箱の中に入っている定規です。

上から順に、
⑤ちび尺(ちびじゃく)兼クラックスケール
⑥金尺(かなじゃく)
⑦ちびスコ
⑧スコヤ


⑤ちび尺(ちびじゃく)兼クラックスケール 使用頻度:2週に1.2度

150ミリのステンレス製定規で「金尺(かなじゃく)」の小さいサイズなので「ちびじゃく」と呼んでいます。なぜか3本も持っていました。シンワ測定社ドラパス社のもので、シンワ測定社のものにはJISマークが。1ミリ毎と0.5ミリ毎の2種の目盛りがついているので、細かい作業をするときに使います。模型づくりには欠かせない存在です。

にこちゃんマークのシールは、他の人のものと混ざらないように。建築士はだいたい同じものを持っていますから。

そして、このちび尺のひとつには、裏側にクラックスケールがついています。クラックスケールとは、コンクリートのひび割れの幅を測るための定規。リノベーションの現場では大活躍ですが、ほかの建築士さんが使われていた透明タイプのクラックスケールが使いやすそうで、乗り換えを検討中です。


⑥金尺(かなじゃく) 使用頻度:2週に1.2度

ステンレス製の定規で、300ミリ(ヤマヨ社)、600ミリ(MINEMURAと刻印あり)、1000ミリ(ドラパス社)の3種を持っています。

300ミリは大学入学時に購入。模型のサイズが上がるにつれて大きな金尺が欲しくなり、1000ミリまで使うようになりました。2000ミリのものもあるそうなんですが、流石にそこまで大きなものは使わないかな…と思っています。今のところ。


⑦ちびスコ 使用頻度:2週に1度

直角定規「スコヤ」の小さいものということで「ちびスコ」と呼んでいますが、正確にはこれは「スコヤ」ではなく「指矩(さしがね)」です。模型づくりで直角を出したり確認したりするときに使います。大工さんが使う指矩は尺貫法の目盛りのものが多いですが、こちらはメートル法なので建築士向きですね。シンワ社製


⑧スコヤ 使用頻度:2週に1度

こちらが正真正銘のスコヤ。短辺が土台のように厚くなっていて、その厚みを利用して材料にひっかけ、直角線を引いたり切ったりできる優れものです。けれど、その土台のせいでかなり重いのがマイナスポイント(重みがあることで安定する良さもありますが)で、またある程度の厚みがある材料でないと逆に使いづらいです。わたしの感覚だと3ミリ以上はスコヤ担当で、それ未満は⑦のちびスコをスコヤ風に使います。

シンワ社製ですが、なぜか龍の模様が付いていて宮大工風。内側の面にマスキングテープを貼っているのは、材料を保護するためです。


他にも、三角定規・勾配定規・T定規・平行定規・分度器・雲形定規など、いろいろ持っているのですが、よく使う定規はこんなところでしょうか。

たかが定規、されど定規。

かたちを寸法に落とし込むのがわたしの仕事なので、こんなに揃ってしまったのかなぁと思います。「定規愛」があるなんて言うほどではないのですが、こうやって振り返って、日々の生活がどれだけ定規に支えられているかを思うと、なんだか愛に目覚めそうな予感が…。

職業柄であったり、こだわりであったり、さまざまな理由でふつうではない数が集まってしまった素朴なモノのことを、しばし考えてみるのも楽しい時間ですよ。みなさんも、ぜひ!