組版/2023

鑑賞対話ファシリテーターの舟之川聖子さんが、自らの体験をもとに束ねたZINE。

舟之川さんとこれまでのものづくりや私的な交流からうまれた信頼があったため、基本的に単体ではお受けしていない「組版」をぐるり舎で担わせていただきました。

2023年5月20日に発売。現在、ひととび書籍部ネットショップやイベントで販売中です。

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舟之川聖子さんとのぐるり舎のこれまでのものづくり
▶︎きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』2020年
▶︎図録作品『観ること』2021年


「頭髪検査」という言葉のもつ怖さ。もしくは言葉が煽る怒り、恥、痛み……。そのようなパワーに負けない本にしなければいけないと、原稿を読ませていただいた時に決意しました。

目指したのは、読み進めるごとに読者が冷静になれるような、けれどエネルギーは絶やさずに最終ページまで辿り着けるような、そんな組版。

なぜならこのzineは「頭髪検査反対!」とか「頭髪検査を廃止にできてよかった!」とかいうテーマのものではないからです。ましてや、読者が「わたしは頭髪検査がない学校に通っていてよかった〜」なんて高みの見物を決めるものでは絶対にない。最初から最後までzineを通して読み、筆者の思考や手順をなぞることで、権力勾配や既定の物語があるなかで持った違和感を、どうすれば無かったことにしないですむのかの道標を、筆者から手渡されるバトンなのです。その具体例が「頭髪検査」や「学校」であっただけのこと。

じわじわと広がり、2023年10月10日には第3刷となりました。

まだまだ多くの方へ、この希望のバトンを手渡したい。


『「頭髪検査」廃止に立ち上がったいち保護者から見えた学校と社会のこと』

著者:舟之川聖子

中学生の子を持つ筆者は、たった一人で、学校を相手に不適切な”指導”の廃止を求め立ち上がった。4ヶ月かけて廃止に持ち込んだが、手放しでは喜べなかった。学校現場で理不尽な指導や校則がなくならない、本当の理由を知ったから……。
こんなのおかしい! 変える! 声を上げる人を全力で応援するZINE


この投稿を記している2024年2月27日現在、舟之川さんは一般社団法人NOOKさんが主催のグループ展「記録から表現をつくる 2023」に参加されています。

この展示は、ZINE『「頭髪検査」廃止に立ち上がったいち保護者から見えた学校と社会のこと』についての内容ではありませんが、彼女の活動や表現に触れ、応援をしたいと考えていらっしゃる方はぜひ会場まで足を運んでください。3月2日(土)にはギャラリーツアーも催されるそうです。

展覧会『記録から表現をつくる 2023』
https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/events/64055/

会期:2024年2月6日(火)〜3月9日(土)
※火・金曜日:13:00〜20:00、土曜日:11:00〜18:00のみの開室となります。
会場:Studio 04(東京都江東区大島4-1 大島四丁目団地1号棟1階)
地図:https://maps.app.goo.gl/HqyzKSSSrLUof23u6

展示参加者:阿部修一郎、稲垣佳葉、鬼神丸信濃、櫻井絵里、柴田成、田中永峰良佑、田中有加莉、舟之川聖子、万里 Madeno、横井るつ、NOOK

ギャラリーツアー
日程:2024年3月2日(土)14:00~
会場:Studio 04(東京都江東区大島4-1-1大島四丁目団地1号棟106)
入場料:無料